アカデミック ハラスメント 事例。 アカデミック・ハラスメントとは|NAAH

アカデミックハラスメントの現実的な対処法

アカデミック ハラスメント 事例

性的要求への服従又は拒否を理由に就労、就学、教育又は研究上の利益又は不利益を与えること• 1 個人的な性的要求への服従又は拒否を、人事、労働条件の決定又は業務指揮に反映させること• 2 個人的な性的要求への服従又は拒否を、教育又は研究上の指導及び評価並びに学業成績等に反映させること• 相手が望まないにもかかわらず、就労、就学、教育又は研究上の利益又は不利益を条件として、 性的誘いかけを行うこと又は性的に好意的な態度を要求すること• 1 人事権又は業務指揮権の行使、利益又は不利益の与奪等を条件として、性的働きかけをすること• 2 相手への性的な関心の表現を業務遂行に混交させること• 3 執拗又は強制的に性的行為に誘ったり、交際の働きかけをすること• 4 強引な接触及び性的な行為を行うこと• 5 性的魅力をアピールするような服装や振る舞いを要求すること• 性的言動、掲示等により不快の念を抱かせるような環境をつくり出すこと• 1 仕事の途中に、相手の性的魅力や自分の抱く性的関心にかかわる話題等で妨害するなど、 正常な業務の遂行を性にかかわる話題、行為等で妨害すること• 2 性的な意図をもって、身体へ一方的に接近又は接触すること• ア 相手の身体を上から下まで長い間じろじろ眺め又は目で追うこと• イ 相手の身体の一部 肩、背中、腰、頬、髪等 に意識的に触れること• 3 性的な面で、不快感をもよおすような話題、行動及び状況をつくること• ア 相手が返答に窮するような性的又は下品な冗談を言うこと• イ 職場にポルノ写真、わいせつ図画を貼る等の扇情的な雰囲気をつくること• ウ 卑わいな絵画、映像、文章等を見ることを強要すること• エ 親睦会又は終業後の付き合い等で、集団で下品な行動をとること• オ 性に関する悪質な冗談やからかいを行うこと• カ 相手が不快感を表明しているにもかかわらず、その場からの離脱を妨害すること• キ 意図的に性的な噂を流すこと• ク 個人的な性体験等を尋ねること又は経験談を話したり、聞いたりすること• ケ 女性というだけで職場でお茶くみ、掃除、私用等を強要すること• コ 宴会等で隣りに座ることやお酌をすること、カラオケでデュエット等を強要すること• 4 異性一般に対する蔑視的な発言等を行うこと• ア 異性であるという理由のみによって、性格、能力、行動、傾向等において劣っているとかあるいは望ましくないものと決めつけること• イ 異性の主張や意見を、異性としての魅力に結びつけること• 5 悪意による、人格の評価を傷つけかねない性的表現をしたり、性的風評を流すこと• ア 特定個人の性に関する風評を流布すること• イ 異性の前で、他の異性との性的魅力の比較をすること。 研究の妨害を行うこと• 1 論文提出時に逸脱した条件を要求すること• ア 卒論や修論、博士論文の提出条件を十分に満たしているにもかかわらず、提出を許さないこと• イ 行き過ぎたプレッシャーにより研究成果を要求すること• 2 研究チームから不当に排除すること• ア 当然加わるべき研究チームから理由なく排除すること• イ 研究室の他のメンバーに対して正当な理由なく関係を断絶させること• 3 研究活動を不当に制限すること• ア 実験や研究のための機器や設備を理由なく使用させないこと• イ 研究上の評価をする際に、恣意的に不当な評価を行うこと• ウ 研究発表活動 論文や学会発表、その他の著述等 を不当に制限すること• 4 指導を拒否及び放置すること• ア 指導を求められても、理由なく指導をしようとしないこと• イ 指導教員の交替が制度上可能であり、 正当な理由のもとに学生がそれを希望しても指導教員の指導から離脱させずに放置すること• 5 業績を搾取すること• ア 正当な理由なく論文著者や順序を変更すること• イ 研究業績を指導教員や他の者に変更するように圧力をかけること• ウ 個人的アイデアによって始まった未発表の研究を了解なく他の者に行わせること• 就学や進路を妨害すること• 1 就学の権利を侵害すること• ア 授業中に人格をおとしめる言動や、教員の学説等に従わせようとする脅迫的な言動を行うこと• イ 成績の不当な評価を行う。 あるいは評価に無関係な事柄を成績に結びつける発言をすること• ウ 求められた教育上の指導を正当な理由なく拒否すること• エ 常識的には不可能な課題達成を強要すること• 2 進路 進学・卒業・就職 を妨害すること• ア 個人的な感情から、奨学金や学術振興会特別研究員などの申請に必要な推薦書を書かないこと• イ 休日を一切とらせないこと• ウ 大学卒業後あるいは大学院修了後の進学・就職について、進路先における自分の影響力を示唆することで、 本人の自由な意志決定を妨害しようとすること• エ 卒業や論文審査について、自分の権限の範囲を逸脱した発言を行うこと• オ 就職が内定した後に、内定先とのコンタクトをまったく認めないことなどにより就職を妨害すること• 研究室において不当に強制すること• ア 研究室に早朝から深夜までいることや、泊まりでの実験を強制すること• イ 休日を一切とらせないこと• ウ 研究室内の雑用をある特定の個人に集中してやらせること• エ 教育研究とは無関係な学外での私的交際を強要すること• 教育の妨害を行うこと• ア 正当な理由なく授業を担当させないこと• イ 教育上の評価をする際に、不当な評価を行うこと• 就労上の権利の侵害や業務の妨害を行うこと• ア 昇任や業績評価にあたって恣意的に不当な妨害を行うこと• イ 業務に関して著しく不公平・不当な評価を行う。 あるいは、その種の発言によって脅威を与えること• ウ 勤務時間では不可能な、あるいは休日の作業が必要になるような逸脱した業務の達成を要求すること• エ 本来の業務以外の個人的な論文・原稿等の翻訳・英文校閲業務等を本人の同意なしに行わせること• オ 業務に支障が出る程度に、指示決定を遅らせること• 身体・精神的暴力を加えること• ア 暴力をふるったり体罰を加えたりすること• イ 教育研究に関連して,名誉や人格を著しく傷つけるような発言をすること• ウ 不当な仲間はずれを行うこと• ハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせをさして使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行なわれるものもあります。 「職場内での優位性」には、「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識、経験などの様々な優位性が含まれます。 業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行なわれている場合には、ハラスメントにあたりません。 例えば、上司は自らの職位・職能に応じて権限を発揮し、業務上の指揮監督や教育指導を行い、上司としての役割を遂行することが求められます。 職場のパワー・ハラスメント対策は、そのような上司の適正な指導を妨げるものではなく、各職場で、何が業務の適正な範囲で、何がそうでないのか、その範囲を明確にする取り組みを行うことによって、適正な指導をサポートするものでなければなりません。 1 一人だけを仲間はずれにすること• 2 罵倒すること• 3 能力や性格について不適切な発言をすること• 4 意図的に昇任・昇給を妨害すること• 5 本人のいやがる部署に意図的に配置転換すること• 6 職務上必要な情報を意図的に伝えないこと• 7 本来の職務とは関係ない個人的な要件をするように強要すること• 8 職務上知り得た個人情報や噂を周囲に言いふらし、当人の職場での居心地を悪くすること• 9 飲み会などへの参加を無理強いすること• 10 異性の部下に対して業務が多忙であることなどを理由にして、個別的に深夜まで業務を行わせること• 11 育児休業や介護休業を取得することを躊躇させる空気を作ること(育児休業を躊躇させる等の場合は「マタニティ・ハラスメント」ともいわれる)• 12 不正・違法行為を強要すること• 13 部活動などにおいて伝統だからとして、本人の望まないことを無理強いすること• 14 深夜におよぶ部活動への参加を強要すること• 妊娠中・産後の女性に対して、以下のことを理由に解雇、雇止め、契約更新回数の引き下げ、退職等の契約内容変更の強要、降格、減給、賞与等における不利益な算定、不利益な配置変更、不利益な自宅待機命令、昇任・昇級の人事考課で不利益な評価を行うこと及び仕事をさせない、もっぱら雑務をさせるなど就業環境を害すること。 1 妊娠、出産したこと• 2 妊婦検診などの母性健康管理措置をとったこと• 3 産前・産後休暇をとったこと• 4 軽易な業務への転換を希望したこと• 5 つわり、切迫流産などで仕事ができない、労働能率が低下したこと• 6 育児時間を要求したこと• 7 時間外労働、休日労働、深夜業務をしないこと• 妊娠・出産の可能性のある女性に対して、以下のような行為を行うこと。 1 妊娠出産が雇用継続、昇任等に影響があると言うこと• 2 (1)を暗意にする発言をすること• 子どもを持つ職員に対して、以下のことを理由に解雇、雇止め、契約更新回数の引き下げ、退職等の契約内容変更の強要、降格、減給、賞与等における不利益な算定、不利益な配置変更、不利益な自宅待機命令、昇任・昇級の人事考課で不利益な評価を行うこと及び仕事をさせない、もっぱら雑務をさせるなど就業環境を害すること。 1 育児休業をとること• 2 短時間勤務にシフトすること• 3 子の看護休暇を取ること• 4 時間外労働をしないこと• 1 飲酒を強要すること• 2 一気飲みを煽ったり、早飲みをさせること• 3 酔いつぶすことを目的として飲ませること、あるいは、飲み会を行うこと• 4 本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめること• 5 宴会で酒類以外の飲み物を準備しないこと• 6 飲めないことをからかったり侮辱すること• 7 酔ってからむ、悪ふざけをすること• 8 酔って暴言・暴力を行うこと• 9 酔った勢いで身体的な接触を行うこと(背中、肩などに触れるなども身体的接触にあたる)• 1 虚偽のうわさを流したり、怪文書を配布すること• 2 プライベートなことに執拗に介入すること• 4 ネット上で誹謗中傷を行うこと• 5 本人の許可なくネット上に他人の画像や個人情報を掲載すること 以上のとおり、セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、アルコール・ハラスメント、その他のハラスメントの六つの態様に分けて例示を示しましたが、ハラスメントの存在の有無の判断は、行為者の意図にかかわらず、その行為が相手の意に反したものであるかどうかによることとなります。 アカデミック・ハラスメントの例示は「アカデミック・ハラスメント」防止等対策のための5大学合同研究協議会(北海道大学、東北大学、東京大学、東京工業大学、九州大学)が作成した「アカデミック・ハラスメント防止ガイドライン作成のための提言」から、引用させていただきました。

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アカデミックハラスメントとは?定義や具体例は?相談先や対応法は?

アカデミック ハラスメント 事例

ここに掲載する事例は一例であり、ハラスメントの概要を示したものです。 また、分類についても、理解しやすいようにしたものです。 三つのハラスメントの事例については、鹿屋体育大学から公表されている 「ハラスメントの事例」 および京都大学から公表されている「ハラスメントの事例」 を参考に、一部引用しました。 セクシュアル・ハラスメント• 対価型セクシュアル・ハラスメント• 個人の性的要求への服従または拒否を、教育・研究上の指導や評価あるいは学業成績などに反映させる。 個人的な性的要求への服従または拒否を、人事及び勤務条件の決定や業務指揮に反映させる。 教育・研究上の指導や評価あるいは利益・不利益の与奪、人事権及び業務指揮権の行使等を条件とした性的働きかけを行う。 相手への性的な関心の表現を業務遂行上に絡めて表現する。 環境型セクシュアル・ハラスメント• 執拗にもしくは強制的に、性的行為に誘ったり、交際の働きかけをする。 強引に接触したり、性的な行為を行う。 性的魅力をアピールするような服装やふるまいを要求する。 正常な業務遂行を、性にかかわる話題・行動などで妨害する。 性的な意図を持って、相手の身体へ一方的に接近したり接触したりする。 話題や行動により、性的な面で不快感を与えるような状況をつくる。 女性あるいは男性という性を一般化して、それに対する軽蔑的な発言や話題を持ち出す。 人格を傷つけかねない性的評価をしたり、性的風評を流したりする。 相手の性的嗜好を取り上げて、上記のような発言や行動をする。 アカデミック・ハラスメント• 学習・研究活動の妨害• 文献・図書や機器類を使わせない。 研究費の申請を妨害する。 理由を示さずに単位を与えない。 「ふまじめだ」「就職活動した奴は留年だ」という口実で留年させる。 「私の指導が気に入らないなら退学しろ、他に行け」と発言する。 本人の希望に反する学習・研究計画や研究テーマを理由を示さず一方的に押しつける。 指導義務の放棄、指導上の差別• 研究成果が出ない責任を一方的に学生に押しつける。 嫌いなタイプの学生に対して指導を拒否したり侮蔑的言辞をしたりする。 研究成果の搾取• 加筆訂正しただけなのに、指導教員が第一著者となる。 学生の未刊行論文の内容を指導教員が無断で引用する。 精神的虐待や誹謗中傷• 「お前は馬鹿だ」と発言する。 論文を指して「幼稚園児の作文だ」と発言する。 不適切な環境下での指導の強制• 必要のない徹夜実験や休日の実験を強要する。 演習・セミナーの時間が他研究室と比べて異様に長く、くどくど叱責を行う。 権力の濫用• アルバイト禁止といった不当な規則を強制する。 空バイト・空謝金などの不正・不当行為を強要する。 プライバシーの侵害• 他大学の学生、留学生、聴講生、ゲスト、他のゼミの学生などへの排斥行為• 「外部の人間は出ていけ」「ここはあなたのようなレベルの低い人がくるところではない」「自分のゼミへ帰れ」などと発言する。 パワー・ハラスメント• 職務上の上下関係を用いて、違法行為を強制する。 また断った際に嫌がらせをする。 上司が部下からの要請があるにもかかわらず、適切な指導助言等を放棄、また指導上の差別をする。 部下から出た要望や提案を合理的な理由なく上司が握りつぶす。 上司が意図的であるかどうかにかかわらず、部下の切迫した状況をかえりみず、支援等の対策を講じない。 必要性のない命令をする。 また、それについての理由の説明をしない。 理由なく時間外勤務を強要する。 また、それを拒否したことにより不利益な取り扱いをする。 業務の指導と称してどなったり、根拠なく個人を誹謗中傷する。 また、ものを叩いたり、投げつけたり、机を叩く等の威嚇を行う。 業務の指導の範疇を超えて、相手の人格を傷つけ、人権を侵害するような言動をとる。 個人的な感情で、状況に適さない過度な要求等をする。 仕事の遅延、行き詰まり等を部下のせいにし、うっ積をはらす。 悪意から、意図的に昇進・昇給を妨害する。 単に忙しいという理由だけをもって、具体的な検討をせずに年次休暇をとらせない。 または休暇をとった人に嫌がらせをする。 権力を背景にして相手の存在を認めないような態度を継続的にとる。 多数の者がいるところで罵倒する。 部下や学生を軽視、侮蔑したり、仲間はずれにする。 それにより職場環境を悪化させる。 業務上関係のない物事を職場の慣習として強制する。 仕事上のチームワークに問題がないにもかかわらず、個人の性格や考え方をあげつらって協調性がないなどと言う。 相手の評判を落とすようなことを言いふらす。 不必要にプライバシーに踏み込んだ発言や質問をする。 私生活や私的活動への参加や協力を強要する。 以上の行為を繰り返すことにより職場・教育環境を悪化させる。

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アカデミック・ハラスメントとは

アカデミック ハラスメント 事例

90年代にいくつかの大学で深刻な事件が起きて社会問題化し「セクシュアル・ハラスメント セクハラ 」という概念が広がったとき、弁護士・各大学の教員・事件の被害者とともに全国ネットワークを結成し、大学への提言や裁判支援に取り組みました。 また、名古屋のNPO法人のスタッフとして、セクハラやDVシェルター、ストーカー、アカデミックハラスメント アカハラ の被害者の相談支援や相談員養成の研修などをしました。 広島大学は99年にハラスメント防止規定を策定し、全国で初めて専任教員を配置してキャンパス・ハラスメント防止に先駆的に取り組んできました。 私は07年から同大学ハラスメント相談室で専任教員の一人として相談支援にあたり、現在に至ります。 ほかにDV民間シェルターの全国ネットワークの代表や、広島の性暴力ワンストップセンターの代表も務めています。 大学におけるハラスメントの流れ 90年代の事件では加害者はいずれも男性教授で、被害者は部下の女性研究者や指導する院生でした。 これらを受けて学生にアンケートを取ったりガイドラインを策定した大学もありましたが、その内容は十分なものではありませんでした。 99年に男女雇用機会均等法が施行され、大学も含めて社会全体にセクハラ対策を制度化する義務が課せられました。 しかし、大学の運営は基本的に学部の自治に任されており、各学部教授会が身内で調査をするようなシステムが出てきたので全国ネットワークはそれを批判し、提言や採点リストを公表しました。 その結果、多くの大学で我々の提言を取り入れた独自のセクハラ対策を展開してくれました。 具体的には学部を超えた全学での委員会、調査委員と相談員の分離、委員会には部外者や女性の視点も入れる等です。 04年国立大学法人化で文部科学省のセクハラ対策や懲戒処分の管理が弱くなり、ますます各大学の自助努力に任されるようになったと思います。 2000年代以降、アカデミック・ハラスメントが前面に出てきてセクハラとアカハラが絡んだ事件を取り扱うようになり、パワハラやアカハラの懲戒処分が出るようになりました。 更に近年では研究不正の問題が大きくなり、ガイドラインや告発窓口ができました。 大学によってはセクシュアルマイノリティの人権に配慮する対策も取られるようになり、セクハラだけを問題にしていた時代とは対策の次元が随分変わってきたように思います。 他方、学生同士の性暴力事件が起き続け、こういう犯罪をする学生は別次元で問題が山積みなのだということをしらしめる結果になりました。 ただ、ハラスメント対策は大学によってバラつきがあり、未だにこういう問題に取り組めない大学があることも事実です。 キャンパス・ハラスメントの実態と特質 ハラスメントは、教員、職員、学生等、すべての構成員の様々な関係の中で起きていますが、一番大きく事件になるのは、男性教員と女子学生、および学生同士のセクハラ事件です。 *「男性教員と指導学生」のセクハラの場合 教師が学生を性的な対象として見て、それを表明することに対する学生側の不快感やショックがあります。 過度に学生のプライバシーに干渉することへの違和感、恐怖感もよく言われます。 直接的な性暴力やストーカーの事件もあります。 特に大学では尊敬し信頼していた先生への不信感を生み、研究室に行けない、先生の指導が嫌だという訴えがあります。 対象が院生や若手研究者になるとセクハラとアカハラがセットになり、研究キャリアに直接影響を及ぼします。 それは学内だけでなく学会や研究コミュニティ全体につながっていくので、セクハラだけの問題にするのは難しいところです。 男性教員と女子学生が同意の上で交際をした場合、別れた後に立場を利用した嫌がらせに容易に転化する危険性があるので、直接の指導関係を外すなどのルールを設ける必要があると思われます。 ままた、周囲の学生が不公平感・不快感を感じる環境型セクシュアル・ハラスメントになる可能性もあります。 *学生同士のセクハラの場合 コンパはスキャンダルの発生源になっています。 私たちが認識すべきは、一人ではしないような性暴力を、集団になると悪乗りしたりそそのかされたりしてやってしまうということです。 現在は写真に撮られたら共有されることがあるので、写真の流通は怖い面があります。 また、交際を断ったら相手がストーカーになった場合、基本的にLINEなどSNSでの怖い思いというのがセットです。 交際相手のDVもあります。 これらは大学の対象責任ではありませんが、かなり深刻なことが起きているので、学生相談の一環としてはできれば相談・支援した方がいいのではないかと思います。 セクシュアルマイノリティであることへのからかいや噂を流されるなどのSOGIハラスメントもあり、実は学生間の事件の方が、学生の経験としては多いと思います。 しかし学生同士の場合は、加害学生に対しても懲戒をするだけでなく、説諭、教育をして指導していかなければいけません。 場合によっては親への説明、治療も必要となります。 そんな中、やはり被害学生が安心して勉学できる環境をつくるために、双方の接触がないよう手厚い対応をする必要が大学にはあります。 ハラスメントが深刻化する背景には 大学で起きるアカハラは、データ捏造に加担させられたり、著者の不正をするように強いられるというように、研究不正に絡んだ形のハラスメントにもなります。 これは、研究室に入る3・4年生以上あるいは大学院生や若手の助教等がリアルに感じている問題だと思います。 また、非欧米圏からの留学生や研究員は、教員のハラスメントを相談・告発することへの抵抗感がとても大きいものです。 大学は今後の卒業・就職や研究キャリアにつながる場所なので、指導関係にある人間から被害を受けても学生からは告発しにくい環境があります。 アカハラとパワハラはまだ法制度も整っていないため、その調査や判断は、部外者・第三者には難しいものです。 研究不正はここ数年問題になっていますが、日本には専門的スキルを持った相談員が少なく、対応がシステム化されていません。 米英では研究不正について独立した機関が大学とは別にあり、情報を発表したり事実を調査したりしています。 アカハラ時代になると、やはり学内の身内の調査でなく、大学を超えて独立した調査機関や啓発機関が必要だと思います。 私は大学の相談員なので、基本的には悪いことは厳罰にして大学全体に公表すべきだと思いますが、多くの学生は事態を大ごとにするのを望みません。 もうその先生とは会いたくない、その研究室に行くと具合が悪くなるというのであれば、研究室を替わるなどの「調整」なら内々にできます。 それを望む方はとても大勢おられるので、そういう柔軟な解決もシステムとして発達させないと、ほとんどの窓口は機能しないことになります。 * 教育指導は相手の成長を願って改善を促すことであり、恫喝や理不尽な指示は教育とは言えません。 長時間の説諭も逆効果です。 また、現場ではこれと間逆の全く指導してくれないというネグレクト型の案件もあります。 例えば医学部の医局講座制や、研究中心の大学の一部の分野の小講座制における、教授が絶対的な権力を持つ仕組みの中では、どれだけアカハラを問題にしても、その体質を変えない限り、改善は難しいのではないかと思います。 法律的観点から見たキャンパスハラスメント〜弁護士としての実務を通して 弁護士法人飛翔法律事務所 パートナー弁護士 吉田 尚平氏 弁護士法人飛翔法律事務所パートナー弁護士 吉田 尚平氏 2014年に事務所が上梓した『キャンパスハラスメント対策ハンドブック』は、今年3月に改訂2版を発行しました。 顧問先を含めた大学等教育機関からはハラスメント事案の相談のほか、教職員に向けたハラスメント研修の依頼も多く頂いております。 大学での教員と学生間におけるハラスメントの特殊性からくる対策の難しさを肌で感じています。 キャンパスハラスメントの定義と特徴 私はキャンパスハラスメントを「大学等において相手方の意思に反した不適切な言動をすることにより、相手方に不快感や不利益を与える人権侵害行為であり、学習・研究又は労働の環境を悪化させる行為を広く指すもの」と定義していますが、一般にはセクハラ・パワハラ・アカハラの統一概念だと考えられると思います。 発言・身体接触だけでなく、現代ではSNSでの書き込みや執拗に送られてくるSNS上のメッセージも含まれます。 近頃大学関係では体育会系などで多くの事例が報道され、世間の目は非常に厳しくなっています。 また、セクハラ・パワハラだけでなく、アルハラ・マタハラ・スメハラ・ソーハラ・スクハラ等、様々なハラスメント類型が問題となっています。 大学では、通常の職場に比べても、ハラスメントが起きやすく、かつ学生に深刻な被害を与えるという特徴があります。 その理由に、まず大学は閉鎖的環境にあります。 大学の自治が認められており、研究活動について外部から干渉されにくい環境にあります。 比較的少人数のゼミや研究室が多く、2、3人の環境でハラスメントが行われることもあります。 二つ目として、加害者となる者の権限が大きいことが挙げられます。 教員等は学生の成績、就職先の斡旋、推薦等の権限を持つため、学生は従わざるをえない状況に陥りやすいという特徴があります。 また、非常に高度に専門化されているので、教員等間では干渉しない傾向があります。 三つ目として、学習環境そのものを悪化させることが挙げられます。 学生の就職や進学を妨げたり、学習や研究が十分できない状況にさせたりすることは、学生の将来に非常に深刻な被害を及ぼします。 さらに、大学ではハラスメントの加害者・被害者の構造に多様な類型があります。 関係者への影響 実際にハラスメントが起きた時には各関係者に非常に大きな影響が生じます。 被害者は被害を受けたことで自己肯定感が低下し、ストレス・抑うつ症状・PTSDを発症することもあります。 留年や休学をすると就職に影響し、休学あるいは退学になると人生そのものに影響します。 加害者も不幸な状況に陥ります。 裁判までいかなくても、ハラスメントに関する手続きの中で自分が悪いことをしたのだと理解することで自己肯定感が低下し、ストレス・抑うつ症状・PTSDになる可能性があり、将来や家庭への影響もあります。 大学への影響は、報道で大学の評判が低下するとそこに属する教職員・学生の帰属意識が低下し、意欲低下を招きます。 その大学の受験生や就職内定者も辞退することになりかねず、優れた人材が集まらずに経済的基盤が揺らいでいきます。 すると、結局ハラスメント対策も含めたコンプライアンスに対して力を注ぐ余裕もなくなっていき、更なる問題が起きる可能性があります。 このようにハラスメントは関係者への影響が非常に大きく、被害者への影響は当然回避すべきですが、加害者を生まないためにも確固たる対策をとらなければならない問題なのです。 法的な責任 加害者本人の責任は法律上どうなのか。 民事責任では「不法行為に基づく損害賠償責任」で、実際に生じた損害について賠償請求されます。 内容としては、慰謝料・治療費等のほか後遺障害による慰謝料や逸失利益が考えられます。 逸失利益は非常に高額化するので、責任も非常に重くなります。 大学側も使用者として又は直接的に損害賠償請求を受ける可能性もあります。 刑事責任では、暴行罪・傷害罪・強制わいせつ罪等の刑事罰に問われる可能性があります。 強制わいせつ罪や強制性交等罪といった非常に重い犯罪として処罰されることもあります。 ほかには懲戒処分として大学側から解雇されたり、戒告や出勤停止という処分を受けることになります。 ハラスメントの一般的な定義 セクハラは、「相手の意に反して、相手に不利益や不快感を与える性的な人権侵害の言動」とされます。 内容は、労働条件に不利益を与えるようなケース、労働・就労・学習環境に害を与えるケースがあり、これには身体的接触や口頭で相手に不快感を与えるなど、様々な要因があります。 パワハラは、「職務上の地位や人間関係の優位性を利用し、適正範囲を超えて注意指導するなどして、相手に不利益や不快感を与える人権侵害の言動」です。 適正な指導・教育の範囲を超えるとパワハラで、超えない場合は指導です。 相手の人格に言及して非難した発言はパワハラになります。 アカハラは、「教育研究上の優越的地位を利用して、相手の教育研究上の利益や権利を侵害する人権侵害の言動」とされ、位置付けは非常に難しいのですが典型例としては、過剰な叱責・誹謗中傷、研究活動の妨害。 また研究成果の盗用でギフトオーサーシップや論文盗用も含まれます。 私的に学生を使う強要行為も該当します。 SNS関連の問題 最近ではSNSで学生と学生、学生と教員がつながるケースが増加し、ゼミやサークルの連絡網のようになっています。 ソーシャルメディアハラスメントで典型的な問題は、各種SNSで「いいね」を強要することです。 また、SNSを閲覧できる状況にするよう強要することも典型例といえます。 SNSは一般に公開できますが、友達として承認した人以外見られない状況にすることもできます。 SNS上に私生活を投稿する人が多いので、友達として承認することは、それを見ることのできる状態にするということです。 そのため承認するよう強要した場合、発言者はそこまでの意図を持っていなくても、相手は私生活に踏み込まれた強い不快感を覚えることがあります。 私生活を見られたくないから承認しないという意味合いを理解せず「なんで承認してくれないのか」と発言をする方が多いので、その誤解が大きな問題になることがあります。 ほかには、意図的にグループから外すという行為も問題になっています。 LGBT関連の問題 LGBTへの理解は世間でもかなり深まってきてはいますが、それでもなお差別的な発言がされていたりします。 アウティングは比較的新しい問題ですが、近年非常に痛ましい事件がありました。 ハラスメント問題は、国公立大学では公表される場合が多いのですが、公表に至らない、ハラスメントの種のような案件も非常に多くあります。 弁護士が関与した場合、基本的に和解の内容は公開禁止になっているので、世の中に無数にあるハラスメント問題のうち、明るみになるようなケースは非常にまれだというのが現状です。 アウティングの問題で先進的な話をしますと、国立市ではアウティングに関する条例ができており、本人の同意なく開示してはいけないと規定されています。 こうした流れが今後他の行政にも広がっていくのではないかとは思っています。 ハラスメントは身近にある 小野晴香さん お茶の水女子大学2年/出版甲子園 は、「女子大にいるので男性と接する機会は少なく、セクハラの危険は少ないとは思うが」と前置きし、「規模が小さい大学なので、自分や友達がそういう状況に陥ったら、周りに知られずに対処するのは難しいかもしれない」と述べました。 宮永聡太さん 全国大学生協連全国学生委員長/東洋大学卒 は「仲間内で日常的に軽い気持ちで友人をいじることがあるが、ハラスメントにつながっていたかもしれない」と振り返りました。 中山拓登さん 全国大学生協連全国学生委員/北海道大学大学院修士課程1年在学中 は研究室に配属されてから先生との関係に悩んでいるという話を友達から聞く機会が多く、「実際には報道に出てこない事案がたくさんあると知り、今日の報告を聞いてなにかしら自分の中で整理ができたような気がした」と述べ、一人でも多くの学生が勉強を続けていくには、自分たち学生がどうしていけばいいのか自問したと言いました。 現場の視点から 雨宮健太さん 八洲学園大学生涯学習学部1年/picaso* からの「日本社会全体にハラスメントを受け付け解決する機関や専門的なスキルを持った専門家が少ないと聞いたが、外国ではどのように機能するシステムがあるのか」との問いかけに北仲先生は、日本では相談員イコール心理カウンセラーという誤解があると言い、「我々が相談室で行うのは心のカウンセリングで解決する方法ではなく、相談内容を大学の調査や懲戒制度につないだり、あるいは警察や市役所につないだりと、様々な機関や制度と結び付け、犯罪被害や人権侵害を解決する相談」と説明しました。 これは、日本以外ではソーシャルワークと呼ばれています。 例えば裁判に進めるための知識もあり、児童虐待やDV、セクハラについて相談を受けるような専門職は日本では養成されないし、就職先もほとんどありません。 北仲先生は「でも私はNPOをやっていたときからずっとこれが必要だと感じていた」と続けました。 参加記者からの「大学のガイドラインができたが、今なお解決しなければいけない課題は?」との問いには、「教職員の懲戒をする部署は大学の人事部で、学生とは接点がない。 調査、処罰、発表が終わるとそれでおしまいで、被害学生への配慮が感じられない結果があった」 北仲先生 との回答があり、ハラスメントは庶務の問題ではなく、本来見据えなければならないのは被害学生の救済であることが強調されました。 まず知り、跳ね返す 宮永さんからの「アカハラのネグレクト型で、教員が指導しないことにより起きた事例は?」との質問に吉田弁護士は、「アカハラの一つの類型として挙げているが、私的な用事の押し付けであることが明らかな場合などのケースは異なり、それだけで教師側が意図的にネグレクトしているのかどうかを立証するのは難しい側面がある。 基本的には、ほかのパワハラと考えられる行為やそれに関連した行為等を含めてハラスメントとして問題とすることになると思う」と述べ、事実認定の難しさにも触れました。 最後に北仲先生は、「本当に根本的な解決の一つは、ハラスメントを跳ね返す力を学生たちがつけること。 学生同士が横につながりパワーアップできるような環境づくりが本来やるべきことだと思う」と述べ、吉田弁護士は「一度ハラスメントが起こると、それに対処していくのは大変な労力を割くことになる。 こういった行為がハラスメントになるんだと知り、ハラスメントがあった場合には、例えば実際に相談窓口へ行けば相談できるということを知っていれば、早い段階でそれに対処できると思う」と述べ、実際に加害者となる可能性が高い教職員に対しては研修を行うことの重要性を提言しました。 さらに「予防するという観点が重要なので、教職員の参加を義務付けた研修と、学生向けにハラスメントを理解する研修を行うのが良いのではないか」と結び、閉会となりました。 57』より転載.

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