サルコイドーシス 診断 基準。 心サルコイドーシスのFDG

心臓サルコイドーシスの診断と治療

サルコイドーシス 診断 基準

発病時の臨床症状が多彩で、その後の臨床経過が多様であることが特徴の1つである。 肺門縦隔リンパ節、肺、眼、皮膚の罹患頻度が高いが、神経、筋、心臓、腎臓、骨、消化器など全身のほとんどの臓器で罹患する。 以前は検診で発見される無症状のものが多く自然改善例も多かったが、近年は自覚症状で発見されるものが増加して経過も長引く例が増えている。 乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫の証明があれば組織診断群となるが、組織生検による診断が得られない場合には臨床診断群又は疑診群となる。 肺、心臓、眼、神経、腎臓など生命予後・機能予後を左右する臓器・組織では、十分な治療と管理が必要である。 2.原因 原因は不明とされているが、疾患感受性のある個体において、病因となる抗原によりTh1型細胞免疫反応(IV型アレルギー反応)が起こり、全身諸臓器に肉芽腫が形成されると考えられている。 原因抗原としてプロピオニバクテリア(アクネ菌)、結核菌などの微生物が候補として挙げられており、遺伝要因としてヒト白血球抗原(HLA)遺伝子のほか、複数の疾患感受性遺伝子の関与が推定されている。 3.症状 発病時の症状は極めて多彩である。 検診発見の肺サルコイドーシスなど無症状のものもあるが、近年は有症状のものが増えている。 サルコイドーシスの症状には、「臓器特異的症状」と「(臓器非特異的)全身症状」とがある。 臓器特異的症状は、侵された各臓器に起こる咳・痰、ぶどう膜炎、皮疹、不整脈・息切れ、神経麻痺、筋肉腫瘤、骨痛などの様々な臓器別の症状であり、急性発症型のものと慢性発症型のものがある。 全身症状は、臓器病変とは無関係に起こる発熱、体重減少、疲れ、痛み、息切れなどである。 これら全身症状は、特異的な検査所見に反映されないために見過ごされがちであるが、症状が強いと患者のquality of life(QOL)が著しく損なわれることになる。 4.治療法 現状では原因不明であり根治療法といえるものはなく、肉芽腫性炎症を抑える治療が行われる。 症状軽微で自然改善が期待される場合には、無治療で経過観察とされる。 積極的な治療対象となるのは、臓器障害のために日常生活が障害されている場合や、現在の症状が乏しくても将来の生命予後・機能予後の悪化のおそれがある場合である。 全身的治療薬は、副腎皮質ステロイド薬が第一選択となる。 しかし、再発症例、難治症例も多く、二次治療薬としてメトトレキサートやアザチオプリンなどの免疫抑制薬も使用されている。 局所的治療は、眼病変、皮膚病変ときに呼吸器病変に対して行われる。 5.予後 予後は 一般に自覚症状の強さと病変の拡がりが関与する。 臨床経過は極めて多様であり、短期改善型(ほぼ2年以内に改善)、遷延型(2年から5年の経過)、慢性型(5年以上の経過)、難治化型に分けられる。 無症状の検診発見例などでは自然改善も期待されて短期に改善することが多いが、自覚症状があり病変が多蔵器にわたる場合には、慢性型になり数十年の経過になることもまれではない。 肺線維化進行例や拡張型心筋症類似例など、著しいQOLの低下を伴う難治化型に移行するものもある。 3.効果的な治療方法 未確立(根治的な治療法はなく、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬などの対症療法にとどまる。 ) 4.長期の療養 必要(慢性炎症性疾患であり、一部の症例で進行性、難治症例となる。 ) 5.診断基準 あり(学会で認定された基準あり。 組織診断群、臨床診断群ともに指定難病の対象とする。 6.重症度分類 学会及び班会議で検討した新分類において重症度IIIとIVを公費助成の対象とする。 5を判断の目安とする。 D.鑑別診断 以下の疾患を鑑別する。 <診断のカテゴリー> 組織診断群:A、B、Cのいずれかで1項目以上を満たし、Dが除外され、Eの所見が陽性のもの 臨床診断群:Aの1項目以上があり、Bの5項目中2項目以上であり、Cの呼吸器、眼、心臓病変3項目中2項目を満たし、Dが除外され、Eの所見が陰性のもの <重症度分類> 重症度IIIとIVを公費助成の対象とする。 次の3項目によるスコアで判定する。 2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。 3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。

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サルコイドーシス:東北大学大学院 医学系研究科 内科病態学講座 呼吸器内科学分野

サルコイドーシス 診断 基準

サルコイドーシスとは?• 不明の理由で、生体に有意義ではない肉芽腫(下の図)が体中のいくつかの臓器にできてくる病気です。 頻度は人口10万人に対して10〜20人程度と比較的稀です。 東北大学病院には現在250人程度通院しています。 20歳代の男女と40歳以上の女性に発症することが多いです。 両側肺門リンパ節、肺、眼、皮膚に病変をきたすことが多いですが、肝臓、脾臓、耳下腺、心臓、脳神経系、筋肉、骨などいくつかのいろんな臓器に病変を作ることもあります。 遺伝や感染するような疾患とは考えられていません。 サルコイドーシスの肉芽腫とは?• リンパ球やマクロファージ(貪食細胞)が生体に有害な炎症を起こす菌や物質を封じ込める以外の不明な理由によって、血管の外に集まってできた塊をいいます。 時間が経過するとマクロファージが変化した細胞(類上皮細胞、多核巨細胞)などもこの肉芽腫に出現してきます。 この塊によって正常な機能が障害されるため症状が出ます。 時間が経っても癌にはなるとは考えられておりません。 サルコイドーシスの肉芽腫は、近年では健常人でも持っているニキビの原因となるアクネ菌に対する過剰な免疫反応が関与しているという説が有力とされています。 画像検査(検診など)や臨床症状からサルコイドーシスが疑われて、最終的には体のどこかから肉芽腫を見つけることで診断を確定します。 しかし、体調が良くない場合や生検が危険な場合、あるいはなかなか肉芽腫が見つからない場合などには、いくつかの状況証拠から臨床診断することもあります。 右の図にあるようにいくつかの検査が必要で、さらに他の疾患ではないと考えられたときに診断が可能になります。 組織検査は多くは肺から行いますが、皮膚症状のある方や表在リンパ節が腫れている方はそこから生検することも可能です。 サルコイドーシスの予後・治療法は?• サルコイドーシスは自然に治る症例から必死な治療にも関わらず悪化する症例まで、経過の幅がとても広いことが知られています。 つまり、患者さん個々で症状や経過が異なりますので、詳細は主治医に聞いてください。 他人の経過が自分に当てはまることは稀ですので注意してください。 若い症例でBHLだけの場合は自然に治ることが多く、中高年発症でBHL以外に症状がある場合は治療が必要ないですが慢性化してしまうことが多い印象があります。 心臓病変、脳神経病変、重症な眼病変などの場合には診断後すぐに治療を要します。 治療は、ステロイド全身投与を長期間行うのが一般的です。 ステロイド治療によって改善した症例は無治療で改善した症例よりも、改善の程度が良くなく再発率も高くなる可能性があるとの報告もあり、必ずしも早期治療が良いとも限りません。 治療のタイミングは主治医とよく相談して決めていくことをお勧めします。 東北大学病院のサルコイドーシスの診療実績は? (村上康司、玉田 勉、奈良正之ほか 日サ会誌 33, 1 , 83-89, 2013より引用) 過去12年間に当科で新規診断され、診断時にステロイドで未治療のサルコイドーシス症例162例を対象とした調査結果をご紹介します。 診断基準変更前の2000—2005年診断例を前期群(全78例、男性32例/女性46例、平均41. 9歳)、変更後の2006—2011年診断例を後期群(全84例、男性29例/女性55例、平均44. 5を所見ありと定義しました。 予後予測因子の解析では,上記162例の中から診断後にステロイドを投与された症例および経過観察期間が1年未満の症例を除く全115例(男性41例/女性74例、平均43. 5歳)を対象としました。 なお、点眼等の局所治療薬で改善した胸郭外病変は評価対象外としました。 1 ヵ月)。 統計解析では2群間比較はStudent t-test,Paired t-testを用い、3群以上の比較はANOVAを用い,p値<0. 05を有意差ありとしました。 以上まとめると、新診断基準に改訂後、30代男性の脳神経病変を有する症例の診断および40代以降の女性の心臓病変を有する症例の診断が増加している傾向がありました。 この理由としては、新診断基準により複数科の連携が進むことなどによる罹患臓器の検索/診断精度の向上および近年の画像検査技術の進歩などにより旧診断基準では診断がつかなかった症例が新診断基準以降の診断症例に含まれているためと推察されました。 サルコイドーシスの多彩な病変(自験例).

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平成27年1月1日施行の指定難病(告示番号1~110)

サルコイドーシス 診断 基準

・はじめに 厚生労働省の指定難病の1つであるサルコイドーシスの2015年診断基準は、2006年学会診断基準と違いがあるため注意が必要です。 まずは、2006年の日本サルコイドーシス学会誌に掲載されている、サルコイドーシスの診断基準を見てみましょう。 2臓器にサルコイドーシスを示唆する肉芽腫がみられれば確定診断になりますが、呼吸器内科の臨床では両側肺門リンパ節腫脹(BHL)のみを呈して、1臓器(肺あるいはリンパ節)から肉芽腫が検出されるケースが多いです。 そのため、組織診断群の診断基準では、肺あるいはリンパ節の肉芽腫+BHL+ガリウムシンチ陽性の組み合わせ、肺あるいはリンパ節の肉芽腫+BHL+BAL中リンパ球比率の増加の組み合わせ、といった感じで組織診断群に該当するケースがほとんどです。 つまり、2臓器なくても診断ができるという点は臨床的に大きなメリットになります。 肉芽腫がなくとも臨床診断群は時に該当するワケです。 実はこの文言をそのまま臨床に適用すると、臓器病変の規定がやや厳しくなってしまったような印象を受けます。 2臓器に病変がある、ということがいずれの診断群でも明記されているためです。 ・指定難病の診断基準はどう変わったか? 「診断基準が厳しくなったの?」というとそういうわけではなく、2006年の日本サルコイドーシス学会誌の1臓器+全身反応による診断に該当する部分が、赤字の部分です。 さて重要なのが、全身反応の検査項目が学会基準と解離している点です。 将来的に学会基準が厚生労働省の基準と同様のものに変えられるのかどうかは現時点では私は存じ上げません。 2006年学会基準と2015年指定難病基準の全身反応に関する検査所見の違い よくよく見ると、おおむね同じなのですが、学会基準と比較すると指定難病基準ではツベルクリン反応、カルシウム値に関する記載がありません。 PET検査はすでに有用であるという位置づけに定まっていますが(個人的には異論があります)、学会基準と大きく異なるのはs-IL2Rの登場です。 ・海外の診断基準はどうか? UpToDateを見てもわかるように、海外では診断基準はありません。 ただ、コンセンサスとして -臨床的・画像的所見がサルコイドーシスに合致する -他の類似疾患を除外できている -組織学的に非乾酪性肉芽腫が同定されている という3点を満たすことが必要とされています。 また、基本的に2臓器以上の非乾酪性肉芽腫の証明、あるいは1臓器の肉芽腫と全身反応を示唆する検査所見があれば診断してもよいと考えられますが、これに関して国際的なステートメントが普及しているわけではありません。 日本では特定疾患の申請に際して制度上厳格な基準が必要であるため、国によってバラつきがあるかもしれません。 そのため、診断基準に合致しないからといって目の前の患者さんが「サルコイドーシスではない」と安易に結論づけるのはナンセンスです。 その逆も然りでしょう。 ・s-IL2R さて、s-IL2Rが取り上げられていますが、サルコイドーシスの診断にそれほど寄与する検査項目なのでしょうか。 CD4陽性細胞が多いため、s-IL2Rは確かにサルコイドーシスにおいて上昇しやすいとされています。 Grutters JC, et al. Serum soluble interleukin-2 receptor measurement in patients with sarcoidosis: a clinical evaluation. Chest. 2003 Jul;124 1 :186-95. s-IL2Rはまた肺外サルコイドーシスで上昇しやすいことが知られています。 Gungor S, et al. Conventional markers in determination of activity of sarcoidosis Int Immunopharmacol. 2015 Mar;25 1 :174-9. 問題は、悪性リンパ腫など他の疾患でも上昇するため、またこれらの疾患との鑑別が非常に難しいケースが存在することから、特異度は高くないと考えられます。 Kita T, et al. Clinical significance of the serum IL-2R level and Ga-67 scan findings in making a differential diagnosis between sarcoidosis and non-Hodgkin's lymphoma. Ann Nucl Med. 2007 Nov;21 9 :499-503. ツベルクリン反応陰性、血清カルシウム値高値に比べてs-IL2Rに優位性があるかどうかは、それぞれの検査項目について比較検討しなければならないため、結論は出ないかもしれません。

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