アス 映画 考察。 【ネタバレ】『アス(Us)』解説・考察:タイトルと衝撃の結末に込められた意味を読み解く

ネタバレ『アス(US)』結末や伏線の意味考察など矛盾点、ラストまでの流れについてまるっとまとめ

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どーも、スルメ です。 今年は『トイ・ストーリー4』もあり、『ロケットマン』もあり『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』もあった。 けれども2019年の暫定ベストは 『アス』なんですよ!! もともとホラー映画はあまり得意じゃないんですけどね。 なんだかんだで『ゲット・アウト』は好きだったし、これも面白いだろうと。 で、実は私この映画を観たのは半年ほど前でして。 今年の前半はタイに住んでたんで、そっちで観てきた形です。 タイはねー、映画の公開がめちゃくちゃ早いのよ。 下手したらアメリカより公開が速かったりするからねw 日本の映画も比較的すぐに公開されるし、料金も安い!シネマも綺麗で映画天国なのさ! ただ日本語字幕がないため、音声だけで聞き取れるハリウッド映画か日本の映画しか観られないのが難点。 『アス』も英語だけで観てきたから、どっか理解できていない部分があるかも。 ということで約半年間かけてやっと日本で公開された 『アス』。 二回目も近いうちに行くんで、まずはレビューを。 あらすじ 夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンとともに夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れたアデレードは、不気味な偶然に見舞われたことで過去のトラウマがフラッシュバックするようになってしまう。 com 監督 メガホンを取ったのはコメディアンの ジョーダン・ピール。 前作の『ゲット・アウト』は初監督作品ながら歴代ホラー映画NO. 1なんじゃないかってくらい高評価を受けました。 コメディアンなのにホラー映画を作っているところが面白いよね。 『ゲット・アウト』も大好きでしたが、『アス』はさらに上を行く…! キャスト 主演は『それでも夜はあける』でアカデミー賞助演女優賞を受賞した ルピタ・ニョンゴ。 『ブラック・パンサー』のナキア役でも有名ですね。 今回はドッペルゲンガーも演じているから一人二役。 アカデミー賞女優の演じ分けに注目です。 共演は ウィンストン・デューク、 エリザベス・モス、 エヴァン・アレックスなどなど。 ホラー苦手な私でも、この演出や秀逸すぎるストーリーに感心してため息すら漏れてしまう。 ホラー映画で大事な部分がすべて含まれていると言ってもいいくらい素晴らしい! マイベストホラー映画を聞かれればたぶん『アス』を挙げるでしょう。 ホラーでも細かくジャンル分けできるから、一概には言えないけどねw やっぱり『ゲット・アウト』はまぐれでも何でもなく、生まれるべくして生まれたんだなぁと。 監督がコメディアンだからでしょうか?本業とは逆の、人が怖いと感じるモノを的確に掴んでいる気がする。 人を笑わせることが出来るなら怖がらせることも容易いのかも。 人間心理を知らなきゃこんな映画は作れないよね。 そして怖いだけじゃないって言うのも良い!キチンと笑わせるところは笑わせて、怖がらせるところは恐怖を与える。 最初から最後までジョーダン・ピールの手のひらで転がされているような映画でしたw ここから先は『アス』のネタバレを含みます!! まだご覧になっていない方はご注意を!! 感想 ネタバレ 中心部まで届くホラー 私はホラー映画の感じ方って主に二つに分けられると思っています。 恐怖の感情をタマゴに例えると、 「周りの殻をつついてくる映画」と 「黄身までぐちゃぐちゃにしてくる映画」の二つです。 分かりにくいかw 要は恐怖の表面を削る映画と、内側を削る映画。 具体例を挙げると『死霊のはらわた』が表面を削る映画で、『アス』や『へレディタリー』が内側を削る映画。 単に驚かせてくるのか、それともストーリーを駆使して中身まで震えさせるのか。 好みは分かれると思いますが、私は後者が好きなんですね。 というのも単にビビリなだけで、びっくりする系の映画が苦手なんですよw 特に映画館で観ると目をそらしたくなっちゃうじゃないですか?? ある程度なら緊張感持って鑑賞できるから良いんですが、そう何度も来るとね。 怖いを通り越してうっとおしくなるわけよ。 じゃあ『アス』の何が怖いのかと。 自分なりに分析してみたら 「何だか分からない」から怖いんだという結論に達しました! 「何だか分からない」ってストーリーがワケわからないとかじゃないですよ。 何に襲われているのか、観客も登場人物も分からないから怖いんです。 そう思うと、昨年話題になったホラー映画『へレディタリー 継承』とかも襲ってくるヤツの正体が分からない。 『IT』だってペニーワイズが何者で、どんな能力があるのか最後まで分からなかった。 前作の『ゲット・アウト』も漂う不気味なモノの正体が分からない。 『アス』はドッペルゲンガーの目的や行動の意味が分からない。 これまで経験してこなかった何かに出会うと、それが映画であっても人間は恐怖を感じるんだと。 映画でさんざん見てきたゾンビやゴーストに襲われるよりも、何考えてるか理解できない無表情のオッサンに襲われる方が怖いですからねw そうやって人間の心理を理解し、恐怖へと陥れる。 登場するのも幽霊でもモンスターでもなく、その人そっくりのドッペルゲンガー。 音とびっくり凶悪モンスターで脅かす「殻をつつく」映画よりも、鋭い切り口で精神をかき乱す「黄身までぐちゃぐちゃ」映画が大好きなのです。 オスカー級の演技 この映画の演技が評価されなかったら、俺がルピタ・ニョンゴなら役者辞めるw ルピタ・ニョンゴの演技は主演女優賞を受賞しても文句の一つもでない、圧倒的な演技でした! もうね、アデレードの時とドッペルゲンガーであるレッドの時の演技が別物すぎる。 特にレッドは独特のしゃがれ声 うなり声に近い で終始不安な気持ちにさせてくれるんです。 ポスターでも分かる通り、それは目つきやしぐさにも出ていて本当に別人が演じているよう。 そして何気に私のツボにハマったのがアデレードの夫・ガブリエル。 彼は緊張感MAXの映画の中で唯一のコメディリリーフ。 『ゲット・アウト』では彼のような役回りのキャラクターはいませんでしたから。 私が『ゲット・アウト』より『アス』の方が好きなのはたぶんガブリエルがいるからだと思うw 演じている ウィンストン・デュークは『ブラック・パンサー』でエムバク役を演じていたんで、それも影響してるのかも。 俺ああいう敵から親友になるキャラクター大好きやし。 他の家族もね。 嫌味がなくて好きですよ私は。 以外にもドッペルゲンガー側のジェイソンにストーリーがなかったが気になりましたが…。 一人二役の映画で不気味さを際立たたせているのは役者の実力半分、監督の腕半分といったところでしょうか。 やっぱ現場を客観的に見ている監督がいることで、大きく映り方が変わるんですよね。 『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤもそうでしたが、もともと演技力の高い俳優をさらに引き立たせるのがジョーダン・ピール。 特にアデレードの子供時代を演じた子役の不気味な表情・演技は、たぶん彼の監督の腕が光った瞬間です。 肌に反射する光を上手く使った映し方、不気味さを際立たせる演出、そして役者の演技力がミックスされて絶妙の気持ち悪さ もちろん誉め言葉 を醸し出していますw ラスト えー、あまりラストの情報だけを書きたくないので詳しいことは書きませんが、かなり衝撃のラストでしたね~。 こういうオチにサプライズを持ってくる映画大好きなんですよ。 『エスター』とか『シックスセンス』とかね。 ホラー映画じゃなくてもこの手の映画で驚ければ確実に記憶に残る。 ただ今回のは『ゲット・アウト』のように不気味さを徐々に際立たせてのサプライズではなく、すべてが終わったと思いきや…ってやつ。 すべてが解決した時のスッキリ感はないのかも?でもゾクッとするラストだったんです。 この映画一番のゾクゾクポイントをそこに持ってきたか!!と。 安心しきっていた俺がバカだった……。 観客を騙す気マンマンでその気持ちすら伝わってしまう映画もありますが、本作は自然とサプライズを作品全体に織り込ませているんで、最後までサプライズに気が付く人は少ないんじゃないか?? 映画を根底から覆すサプライズは久々だ…! こういうラストだと「続編あるんじゃねーか!?」って声も上がりそうだけど、俺は無いと思ってますね。 あそこまで手を繋いじゃって世界もめちゃくちゃ。 続きを観たいくらいで終わらせておくのが良いのかと。 まぁ我らがジョーダン・ピールなら続編も完璧に作ってくれそうではありますが…。 それよりも新しい作品が観たいってのがホンネかな。 まとめ 良いホラー映画観ましたわ~。 『IT』は好きでしたけど、高評価だった『へレディタリー』とかはそんなに好きじゃないですよね。 『アス』も『ゲット・アウト』も『へレディタリー』も新世代ホラー映画の一つと数えられるのは間違いないと思いますが。 さて、ジョーダン・ピールの次回作はいつになるんでしょうね。 またまた2年後か、さらに先か。 映画をお得に観よう! 「今日は映画観よう!」って思っても、休みの日に家を出てレンタルしに行くのがめんどいんですよね~。 私なんて映画しょっちゅう見るのに近場のレンタルショップが車で30分だったりして、学生時代は本当に苦労しましたw かと言ってテレビでたまたま自分の観たい映画が放送することなんて稀ですし…。

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映画『アス』ネタバレ解説とレビュー評価。ジョーダンピール監督作品の怖さとは⁈

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「アス」に映画ファンが楽しめる仕掛けあり!ジョーダン・ピール監督「僕自身大好きな場面」 2019年9月3日 17:15 主演のルピタ・ニョンゴとジョーダン・ピール監督 C Universal Pictures [映画. com ニュース]前作「」が全米で大ヒットし、日本でも一躍脚光を浴びた監督の最新作「」が、9月6日から全国公開される。 ピール監督は「今現在世界で起きていることとすごくつながりがあると感じたので、それまで興味があったドッペルゲンガーをモチーフにしたんだ」と振り返り、本作について語った。 長編監督デビューを果たした「」で脚本賞を受賞したピール監督が、監督・脚本・製作を兼ね、前作と同様に敏腕プロデューサーのとタッグを組んだ本作。 自分たちとそっくりの謎の存在と対峙する一家の恐怖を描く。 スクリーンを半分にすると、通常だったら焦点が1つしか合わないんだけど、違う所に2つ合っているという撮り方なんだ。 この映画の中では物語的にもしっかり意味のある効果として成立していると思うし、僕自身が大好きな場面なのでぜひチェックしてほしい」。 ネット上では、「」というタイトルにまつわる考察が展開されているが、ピール監督自身は「本当だったら観客に自由に解釈してこの映画を経験してほしいと思っているから、自分がどんな意味を付与したのかっていうのは答えず、観客に預けておこうかなと思う」と前置きしたうえで、以下のように語った。 「誰にとっても意味が違う、違う見方ができる、解釈できる、っていうのが実はこの映画の中心的なテーマの一つだと思うんだ。 当然『』がいるなら『ゼム』=彼らがいるわけだから、彼らというのも見る人にとって解釈が変わってくると思う。 いろんな解釈が成立する、応用できる、そういう物語になっていると思うんだよね」。 コメディアンとしても活躍するピール監督は「スリラーへのアプローチというのは、コメディへのアプローチととても近いんだ。 何か不条理なことや、えっと思うような部分を盛り込みつつ、しっかり地に足が付いたアイデアでないと、効果的ではないんだよね」と持論を話し、「言い換えれば、リアルな世界観にあってこそ、リアルに起きそうだと感じてこそ心に響くと思っているから、自分の描くホラーはなるべくリアルな世界を舞台にすることでより怖いものにしているんだ」と映画作りにおける自身のこだわりを明かした。 「」は9月6日から全国で公開。 (映画. com速報)• 「デスカムトゥルー」 C IZANAGIGAMES, Inc. All rights reserved. 「ソニック・ザ・ムービー」 C 2020 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. ALL RIGHTS RESERVED. 「エジソンズ・ゲーム」 C 2018 Lantern Entertainment LLC. All Rights Reserved. 」 C 2019 Sony Pictures Television Inc. and CBS Studios Inc. All Rights Reserved. 「ドクター・ドリトル」 C 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

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『US/アス』ネタバレ【ラスト考察】伝えたかったこととは

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まずはこの映画が伝えたかったことについて考察していきましょう。 また、後述しますが、この物語を深く見つめると、ジョーダン・ピール監督は人種差別問題、はっきり言うと黒人差別問題についても訴えかけていると言えます。 ジョーダン・ピール監督の前作『ゲットアウト』でも黒人差別問題に触れている部分がありましたね。 そして物語では 地上の恵まれた人間と地下の不遇な人間が登場します。 やはりこの構図自体が本質的に伝えたかったことを暗示していると言えます。 つまり、先ほどの 最大の敵は自分自身であるということを踏まえ、全体としては、 私たちが幸福だと思っている事は誰かの犠牲の上に成り立っており、それを忘れてはならず、それを変えなければならない。 そのためには自分自身が変化するしかない。 ということであるのではないかと考えられます。 やはり、物語の根幹には自分自身という存在があって、それに対する考え方であったりそれを前にした時の恐怖であったりがこの映画には込められていそうです。 また監督はインタビューでスリラーについて尋ねられると、 優れたスリラーは現実味にあふれている。 と答えました。 これは名言ですね。 なかでもジョーダン・ピール監督は構想段階で 最も恐ろしい事は何かを自問したそうです。 その答えは 自分自身に会うこと だったのだそう。 誰もが自分自身から目を背けているのだという指摘にはハッとさせられますよね。 そして最後には、現在のアメリカという国がアウトサイダーから目を背け、自分自身 アメリカ がアウトサイド 世界 の変化に関与していることに目を背けていることを指摘しました。 余談ですが、テザードの象徴のような存在でもあるレッドは劇中に「私たちもアメリカ人だ」と発言するシーンがあります。 エレミア書11章11節• うさぎ• シンメトリー効果• ハサミについて• 地上と地下の関係• レッドは何故言葉を話せたのか• ラストの解釈 それでは1つずつ読み解いていきましょう。 エレミア書11章11節とは一体なんなのか? まずは、エレミア書11章11節についてです。 これは皆さんが一番気になる点だと思います。 かなり強調されていました。 登場したのは• 幼少期のレッドがサンタクルーズビーチの遊園地を訪れた時におじさんが持っていたパネルに書かれていた。 大人になったアデレードが再びその地を訪れた際に自宅の時計が11時11分だった。 サンタクルーズビーチをアデレードとその家族が訪れる際の道中で家からそのパネルを持ったおじさんの死体が運び出された。 先に言っておきますが、レッドとアデレードが混在しているのは地下と地上で物語の早々に入れ替わりが行われていたことが分かっているからです。 果たして、このエレミア書とは一体なんなのでしょうか。 まずは、エレミア書11章11節をみてみましょう。 【エレミア書11章11節】 それゆえ主はこう言われる、 「見よ、わたしは災を彼らの上に下す。 彼らはそれを免れることはできない。 彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。 」 一体どういうことなのか? 結論から言うと、 これは 地上の裕福な人間と地下の恵まれない人々の関係を表している言葉であると劇中では捉えられると考えられます。 地上の人が豪華な食事をするほど、地下の人は血まみれのうさぎを食べなければいけない。 地下の人々はそれを逃れることはできないが、地上の人々はその事実を知る由も無い。 こういうことでしょう。 これも、 誰かの幸せは誰かの不幸の上に成り立っているという物語の本質を捉えている部分であると考えられます。 うさぎが登場するのは地下のクローン人間が暮らすトンネルの内部のみでしたね。 このことからうさぎもクローンであると考えられます。 また、このうさぎたちは映画の最初のシーンでは小さな檻に閉じ込められています。 身動きが取れない状態は誰かに支配されていることを暗示しています。 その後、物語が進み地下のクローン人間たちが地上に出始めると、地下のうさぎも放たれていましたね。 つまりうさぎはその存在自体が、支配される地下のクローン人間の比喩のようなものであったと考えられます。 それは、 もぐらです。 遊園地でレッドの父がモグラ叩きをしていました。 シンメトリー効果は登場していた? ホラー映画の名作『シャイニング』ではシンメトリーが物語の鍵を握っていましたよね。 特に映画『シャイニング』では双子や、鏡の存在がもたらすシンメトリーの効果が非常に大きかったように感じられます。 そのことからジョーダン・ピール監督もこの映画『シャイニング』に少なからず影響を受けたのでしょう。 具体的には• 私たち• ハサミ などです。 【鏡】 まず鏡についてです。 印象的だったのが、レッドが幼い頃に訪れた遊園地にあったFIND YOURSELFという名前の脱出ゲームの中にあった鏡の間ですね。 この鏡の間でレッドはアデレードと出会ってしまいました。 【私たち】 地上の人間と地下のクローンは姿が全く同じであるため、対峙する時にはまさにシンメトリーであったと言えるでしょう。 【ハサミ】 ハサミは凶器として登場しました。 こちらに関しては後述します。 シンメトリー効果につながる話ではありますが、ジョーダン・ピール監督はインタビューでハサミについて以下のような解釈をしています。 ハサミは左右対称であって二重性を持っている。 二重性とは、日常生活においてありふれたものでありながら、一歩間違えば凶器となる恐ろしい一面も持っていらということだ。 このように、ハサミは二重性という名の下に、変化が見られる動具です。 この変化というものを劇中では強調したかったのではないでしょうか。 地上と地下の世界の関係について 続いて、地上と地下の世界の関係性についてです。 これは、物語の大きなテーマであって深い意味を持つことは間違いないでしょう。 映画の開始と同時にまず、 アメリカの地下には大きな巨大な空間があり… というような説明がなされました。 まさにこれが地下世界のことです。 まず地上に住む人々と地下に住むクローン人間の関係性についてですが、これはそっくりそのまま現在の我々の社会の構図を表していると考えられます。 初めの結論で 「誰かの幸せは誰かの不幸の上に成り立つ」という趣旨の主張を提示しましたが、まさにこれですね。 現在の我々の社会では裕福な人はさらに裕福に、貧困層はさらに貧困へと向かう。 そんな世界です。 貧困層は貧困から立ち上がることは難しいですよね。 現実世界でも大きな課題として取り上げられています。 このように一度貧困になると、そこからは這い上がることはできないのだという認識が世界でも絶望感として広がっているように思います。 それは、 地下へと続くエスカレーターが下りしかなかったことです。 エスカレーターは本来上りと下りがセットで作られるはずです。 しかし、地下世界へと続く道中には下りのエスカレーターしかありませんでした。 なんとも皮肉なシーンですよね。 レッドが言葉を話せた理由 結論から言うと、レッドが言葉を話せた理由は もともとは地上の人間であったからです。 幼少期にレッドとアデレード クローン が入れ替わっていますよね。 そのため、レッドは言葉を操ることができたのです。 普通の人間であったのだから当たり前ですよね。 また、地下世界のその他のクローン人間たちは言葉を話すことはできません。 劇中ではよくわからない奇声のようなものを上げて吠えていましたよね。 レッドが言葉を話せることは、同時にアデレードがクローン人間であったことの証明にもなります。 アデレードは入れ替わりがあった直後に、言葉を全く話さなくなったと家族に心配されていました。 これも、もともとは言葉を知らないクローン人間であるのだから当たり前ですよね。 また、劇中では自分自身の影つまり、地下のクローン人間 アス を倒すことができたものは生き残ることができています。 アデレードの一家もそれぞれ自分のクローンを自分自身の手によって倒しています。 ここで問題となってくるのは、なぜアデレードはレッドのことを倒すことができたのかについてです。 物語の終盤でアデレードは地下世界までレッドを追い詰め、最終的にはレッドを倒しましたよね。 整理すると、もともとはレッドが地上世界に住んでおり、アデレードは地下世界のレッドのクローンでしたよね。 しかし幼少期の入れ替わりによってレッドは地下で暮らすように、また、アデレードは地上で暮らすようになっています。 分かりやすくすると、 【幼少期】 レッド 地上世界 :アデレード 地下世界 【幼少期以降】 アデレード 地上世界 :レッド 地下世界 となっています。 つまり、地上世界で普通に暮らしていたアデレードはクローン人間であったはずなのに、もともとは地上の人間であったレッドのことを倒してしまいました。 ここには、 ジョーダン・ピール監督の最大の皮肉と批判が込められていると考えられます。 それは、 幸福になったものは不幸なものに手を差し伸べず、また不幸なものはそこから這い上がることができない という事です。 現在の社会がそのような状況になってしまっているのだと痛烈に批判されたように感じました。 幸福をつかんだアデレードと、どん底に突き落とされたレッド。 幸福をつかんアデレードが結局はレッドを殺してしまうというなんとも皮肉な展開となっていました。 最後に、レッドとアデレードの身に起きた幼少期の回想シーンでアデレードがレッドを地下世界に引きずりおろし、 手錠をかけて地下世界に葬り去るシーンがありました。 このシーンはレッドが地下世界で蜂起して地上世界に這い上がり、アデレードの家を訪れ、アデレード自身に 手錠をかけさせるシーンと重なりますよね。 振り返ってみるとこのシーンが個人的に一番 うわぁ…。 ってなる描写だったなと感じます。

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